About Book
キヤノン写真新世紀優秀賞(荒木経惟 選)など数々の受賞歴を持つ写真家安森信が、自らの性に真正面から踏み込んだ作品シリーズを纏めた初の写真集。
作家自らが語るように、この写真集は写真家としての宣言といっても過言ではない──。
食らいつきたくなるような欲望を諌めながら、丁寧に静かに行われている一連の儀式(もちろんビンビンだ)。それはまるで、ひとつひとつの所作をゆっくりと確認しながら行われていく神事のようで、厳かさと静謐さを想像させる。
性に対する敬意と、肉欲への憧憬、妖艶な美意識、それらに貫かれた安森の写真の1カット1カットには、肉汁と愛汁が染み込んでいて、その汁を吸った赤い紐は写真を見るものをも縛り上げ、もがけばもがくほどに食い込んでくる。
Artist Statement
写真を撮り始めて20年。
近年の自分の写真に対する姿勢に危機感を感じた。
あまりにも行儀よく写真を撮ったり、世に溢れるぬるい写真を見ている事に『ヤバイ』と思った・・・
自分はもともと大先輩達の撮る女や女の裸の写真に、ガツンと脳裏までやられて写真を続けてきたのに・・
そこで、もう一度自分を見つめ直し、本当に撮りたいものを我侭に撮ろうと思い『女』を撮った。
初めての写真集で自身が撮った『女』を世に出す事で、写真を撮るものとしての決意をここに示す。
Artist Information
安森信 | Makoto Yasumori
1977年生まれ。
日本写真映像専門学校研究科卒業。
CATV勤務を経て、2009年フォトグラファーとして活動をはじめる。
2009年 キヤノン写真新世紀優秀賞(荒木経惟 選)受賞。
他、様々なコンテストで多数受賞。
国内外で個展・グループ展多数開催。
九州産業大学に上野彦馬日本写真芸術学会奨励賞作品『華恋』を収蔵。 |